まずけしゅうを打って、しかして後にまさに円明にはいるべし
『十住心論』
まず、身勝手なはかりごとや妄想を打ち破り、晴々とした心の境地にはいるべき。
自分の利益のために計略をめぐらし、また悪しき妄想抱く。損得ばかりに固執する人が、そこに落ちると身動きがとれなくなります。
仏教ではそのような人々を『餓鬼』と言います。餓鬼は飢えを満たすため、自分の食欲だけを考えます。そこから、自己中で自分の事しか考えない者に例えます。そんな人々にどうして穏やかな時が訪れるでしょうか。自らの『餓鬼』の姿に気づき、他人を敬い幸せを分かちあうことで、広々とした、晴々とした心でいられるのです。