埼玉県越谷市の真言宗摩尼山地蔵院|大悲霊廟(納骨堂)

豆知識

三密の話

コロナ感染症による緊急事態宣言もようやく解除され、以前に比べて世間も落ち着きを取り戻してきました。お寺でも、今年は施餓鬼法要を僧侶のみで厳修し、コロナ感染症対策である「三密」、密閉、密集、密接を避けるよう心掛けております。ところで皆様は真言宗のおしえにも「三密」があることをご存知ですか。

 

弘法大師は著書「即身成仏義」で密教のおしえを説いています。仏教では、生命は「身、口、意」で構成されていると考えられています。身は身体、口は言葉、意は心のことです。密教以外の宗派ではこの三つを「三業」と説き、人の行動や言動、心のはたらきは煩悩を生み、悟りの世界から遠ざけるとされています。しかし密教では、「世のすべてが大日如来のおこないだと考え、わたしたちも本来大日如来と変わらない存在である。」と考えられています。ところがわたしたちは煩悩や悩みが邪魔をして自らが仏様であることに気付くことができません。そこで弘法大師が説いたのが「三密」なのです。「三密」には身密、口密、意密があります。身密は手に印を結ぶこと、口密は真言を唱えること、意密は心に大日如来を思い浮かべることです。この三つを整えることで大日如来と一体になり、生きたまま仏になる即身成仏することができるのです。

実は皆様も普段から三密を実践することができます。

身密・・・合掌をし、日々の行動を見直して下さい。

口密・・・南無大師遍照金剛とお唱えしながら、自身の言動を正して下さい。

意密・・・心にご先祖様や仏様を思い浮かべて、ありのままの自分を感じて下さい。

これらをバランスよく整えることにより仏様と一体になり、悟りの世界へと近づくことができるのです。

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ油断できない状況が続いています。家族で過ごす時間も多くなっているいま、是非皆様で「三密」を実践して仏様を感じ、コロナ感染症を乗り越えましょう。

↑