埼玉県越谷市の真言宗摩尼山地蔵院|大悲霊廟・弥勒霊廟(納骨堂)

真言宗の教え

真言宗の教え

弘法大師

真言宗の教えは、弘法大師(空海)によって完成されました。

その教えは、自分自身が本来持っている「仏心(ぶっしん)」「限りない人格」「さとりの世界」を、「今このとき」に呼び起こす即身成仏(そくしんじょうぶつ)に求められます。

それは、自分自身を深く見つめながら、「仏のような心で」「仏のように語り」「仏のように行う」という生き方です。

この教えをもとに、人々がともに高めあっていくことで、世界の平和がもたらされ、理想世界としての密厳仏国土(みつごんぶっこくど)が完成するのです。

真言宗のご本尊

大日如来

真言宗のご本尊は大日如来(だいにちにょらい)です。

大いなる智慧(ちえ)と慈悲(じひ)をもって、すべてのものを照らす根本の仏さまです。

私たちが手を合わせるさまざまな仏さまは、すべて大日如来の身を変えた姿なのです。

それぞれにご縁のある身近な仏さまへの信仰は、すべて大日如来につながっているのです。

真言宗の経典

真言宗が拠り所とする経典は、『大日経(だいにちきょう)』『金剛頂経(こんごうちょうぎょう)』です。

法要の中で唱えられる主なお経は『般若理趣経(はんにゃりしゅきょう)』『般若心経』『観音経』などです。

さらに特徴として『光明真言』に代表される真言や陀羅尼(だら)にを唱えます。

また経文に節をつけて唱えるお経 “声明(しょうみょう)”は広く知られています。
また、お経のほかにも“ご詠歌(えいか)”・“和讃(わさん)”をお唱えすることがあります。

曼荼羅

曼荼羅は、真言宗の教えをもとに、宇宙に遍満する生きとし生けるものの「いのち」を仏の姿として、大日如来を中心に描き出したものです。
『大日経』に説かれる胎蔵曼荼羅には、広くものをみて互いを認め合う慈悲の心、『金剛頂経』に説かれる金剛界曼荼羅には、人生を深める智慧の光があらわされています。
真言宗ではこの二つの曼荼羅を両部曼荼羅、両界曼荼羅と呼んでとても大切にしています。

金剛界曼茶羅

胎蔵曼茶羅

声明

声明は日本の伝統的な仏教聖歌です。

声明は、仏教とともにインドから中国へ伝えられ、中国で新たに作られたものも加わり、日本へと伝えられました。

もともと声明とは古代インドの学問のひとつで、シャブダ・ビドヤーといわれ、言葉の学問、つまりサンスクリット語(梵語)の文法学を意味していました。

日本では平安時代、密教僧が真言や陀羅尼の学習のためにこの梵語の文法学である悉曇(しったん)を学びました。

752年、東大寺大仏開眼供養の際、声明が唱えられたことが記録にあります。

その後、9世紀の初めに弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)により真言声明(しんごんしょうみょう)が、また中頃には慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)により天台声明(てんだいしょうみょう)がそれぞれ中国から伝えられました。

ここでは、真言宗豊山派の総本山、長谷寺に伝わる声明「四智梵語」(しちぼんご)を紹介します。
その内容は、金剛界(こんごうかい)の大日如来を讃歎するものです。

四智(しち)とは、阿閦如来(あしゅくにょらい)・宝生如来(ほうしょうにょらい)・無量寿如来(むりょうじゅにょらい)・不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)の智慧を表しており、それは金剛界の曼荼羅全体を意味するものでもあります。

また、「四智梵語」は、多くの法要で唱えられるため、真言宗の僧侶としても、唱える機会が最も多い声明です。

ご葬儀やご法事の際にも唱えられることが多いので、皆さんも聞かれたことがあるかもしれません。

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